自分の強みを見つけることは、転職の自己分析でメインとなるテーマです。
でも、これまでの仕事経験やエピソードから強みを言語化するのは、なかなかに難しいため、キャリアの棚卸しをしても「強みがイマイチわからない……」という人もいるでしょう。
そんなときは、転職の自己PRでよく利用されているキーワードを参照すると、強みを言葉にしやすくなります。
そこで今回は、転職で役立つ<強みキーワード>一覧についてご紹介します。
キーワードの中には就活ではOKでも、転職の強みアピールでは控えたいものあるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【自己PRに役立つ】強みキーワード一覧
ここでご紹介する強みとは、いわゆるポータブルスキル(ソフトスキル)が中心です。
ポータブルスキルとは「持ち運びできる」という意味の言葉で、他社でも応用が効くスキルを指します。
以下の表では、仕事全般・自己・対人・技術・その他の5つに分類して、強みに関するキーワードをまとめました。
<その他>は強みともいえますが、どちらかというと<長所>であり、性格や人柄などを表す言葉となっています。
キーワードの分類はあくまで目安なので、自身の経験に合わせて自由に活用してみてくださいね。
【仕事全般に関する力】 | 問題解決能力/課題発見力/目標達成力/先見力(将来を見通す力)/状況把握能力 /分析力/情報収集力/論理的思考力/リスクマネジメント能力/バランス感覚 |
【自己に関する力】 | 体力/度胸/行動力/忍耐力/洞察力/ストレス耐性/継続力/適応力/ピンチ対処力/競争心/チャレンジ精神/決断力/主体性 |
【人に関する力】 | リーダーシップ力/マネジメント力/指導力/育成力/説明力/共感力/傾聴力 /マーケティング力/ニーズ察知力/接客力/受容力 /交渉力/人脈創造力/調整力/サービス精神/ホスピタリティ(思いやり)/奉仕精神/チームワーク/ルール遵守力 |
【技術・モノに関する力】 | 創造力/発想力(アイデア力)/独創性/情報発信力/企画力/文章力/編集力/コスト意識/「〇〇に詳しい」などの専門性 |
【その他】 | 柔軟性/積極性/協調性/自己信頼/好奇心/探究心/素直さ/向上心/感受性/社交性/責任感/笑顔/未来志向/現実志向 |
キーワード参考にするとしても、最後は自分の言葉で強みは伝えることをおすすめします。
経験や持っているスキルが、必ずしも既存のキーワードに当てはまるわけではありませんし、無理に押し込もうとすると、逆に本来持っている良い面が伝えきれず、薄れてしまう可能性があるからです。
自己PRや面接では、強みを一言で伝えてインパクトを残すことも大切ですが、その後に「どんなエピソードが続くのか」も大切です。
あわせて読みたい >> 【永久保存版】転職を成功に導く自己分析のやり方を完全解説
転職でのアピールは避けたい2つの強み
転職では、あまりアピールするのに適していない強みというのがいくつかあります。
それは、社会人が当然持っておくべき資質やスキルに関するものです。
具体的には、以下のようなスキルです。
- コミュニケーション能力
- 自主性
順番に解説しますね。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、職場の人たちや顧客とのやり取りなど、ビジネスのあらゆる面で役立つスキルであるため、アピールポイントにする人も多いでしょう。
でも、ある程度、社会人経験を積んでいるのであれば、仕事上のコミュニケーション能力があるのは当然といえます。
30代・40代であればなおさらです。
コミュニケーション能力をアピールするのであれば、もっと深掘りして別の言葉で表現してみてはどうでしょうか?
たとえば、
・メールなど非対面のコミュニケーションも得意
・話をわかりやすく整理できる(説明力)
・共感力がある
などです。
コミュニケーション能力以外に、他に仕事で役立つスキルが見つかっているのなら、そちらをアピール材料にすることも考えてみるといいでしょう。
自主性
自主性とは、目的に向かって、他人から指示される前に、自分で考えて行動する力です。
自主性も確かにビジネスで必要な力ですが、これもコミュニケーション能力と同様に、社会人として持っていて当たり前といえます。
似たような言葉に<主体性>がありますが、こちらは自主性よりも高度なスキルです。
どちらも「自分で考えて行動する」点では共通していますが、主体性は、選択の自由が広い反面、責任も大きくなる点が特徴です。
主体性では、自主性とは違って、目的達成までのやり方も方法も不明であることがあります。
ここでは、山登りを例に、自主性と主体性の違いを考えてみましょう。
自主性は、山登りで山頂を目指すとき、どのルートを選択するかは決めるとしても、スタート地点から山頂まで続く道が明確に決まっています。
一方で主体性の場合は、山頂までの決まったルートがなく、どんな道をどうやって開拓していくのかまで任されるため、山頂まで行ける保証はありません。
責任感や積極性の面では、自主性よりも主体性の方が転職のアピールに適しているといえます。
企業は自己PRで何を見ているのか?
自己PRを書くときに企業側の視点を理解していると、「どんな強みを伝えるべきか」の判断基準がつくれます。
企業が強みを尋ねるとき、チェックしている点は以下の3つです。
- 応募したポジションで活かせる経験やスキルか
- 企業の価値観や考え方に合っているか
- 客観的な分析力
強みは、経験やスキルなどさまざまな言葉で表現できますが、つまりは「できること」です。
そして、その「できること」が応募した仕事で活かせるのか、自社の企業文化や風土とマッチしているのかを企業は知ろうとしています。
希望する企業が、成果主義なのか顧客ファーストなのか、個人行動中心かチームワーク重視なのかなどによって、アピールする強みは変わってきます。
【強みの伝え方】自己PRを書く際に意識したい3ステップ
強みは、これまでの経験やエピソードなどの事実情報と結びつけて、初めてアピール材料になります。
転職の自己PRを書くときは、以下の手順で説明すると話がわかりやすくなるでしょう。
(1)結論
(2)根拠(理由となる経験、自分がした行動や工夫)
(3)結果(成果、周囲への影響、応募する企業での活かし方)
結論では、「私には〇〇力があります」と一言で強みを書きます。
次の根拠では、その強みの根拠となる具体的な経験やエピソードを書きます。
根拠では、そのときに自分がした行動や工夫も書いて、面接官にリアルな状況をイメージさせるのがポイントです。
結果では、自分のやった行動から起きた成果や学びを書き、最後は「だから、▲▲のことで御社の役に立てます」といった文章で締めくくります。
以下は、「説明力」を強みとした私の例文なので、良かったら参考にしてみてください。
私の強みは、説明力です。
子どもの野外活動や青少年教育に関する仕事では、難しい用語や堅い話ばかりだと集中して聞いてもらえないため、参加者の視点に立って、物事をわかりやすく話す力が求められました。
他の指導者の説明の仕方を参考にしつつ、話の組み立て方や言葉選びに試行錯誤した結果、徐々に参加者の興味を引けるようになり、同時にざわざわする時間も減ったため、全体の企画進行がスムーズになりました。
御社でも顧客の声に耳を傾けつつ、わかりやすい言葉で商品を説明し、顧客満足度アップに貢献していきます。
「ざわざわする時間」などの表現は改善が必要といえますが、だいたいこんな感じです。
最初は長文になったり、稚拙な文章になったりしてしまうかもしれませんが問題ありません。
私のライター経験からして、短い文章を長くするよりも、長い文章を短く削る方がラクな上、文章の情報密度も高まるからです。
キャリアの棚卸しやエピソードに困っている人は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
あわせて読みたい >> これ一枚だけ!強みが見つかる職務経験シートの書き方【4つの手順】
まとめ
転職でアピールする強みは、企業や応募するポジションで活かせる力である必要があります。
強みというと、何かすごい実績やスキルを想像してしまうかもしれませんが、私を含め、多くの人はそれほど大した経験やスキルを持っているわけではありません。
自己PRや面接で大切なのは、その持っている強みをどう見せるかです。
そういう意味で転職では、自己プロデュース力やセルフブランディング力が問われているともいえるでしょう。
強みを「どう書くか」「どう伝えるか」によって、採用側の印象は違ってきます。
これまでの経験を振り返るときには、ご紹介したキーワードも参考にしつつ、自分の言葉で自身の魅力を企業に伝えていきましょう。