転職における価値観の見つけ方と面接での回答例

転職における価値観の見つけ方と面接での回答例

転職における価値観の見つけ方と面接での回答例

転職の自己分析では、「価値観を見つけることが大切」とよく言われますよね。

でも、「価値観とは何か」について、ちゃんと理解している人は少ないのではないでしょうか?

就職と違って転職では、必ずしも面接で価値観は聞かれるわけではありませんが、「自分が輝ける仕事に就きたい」「才能を活かせる仕事を見つけたい」のであれば、自己分析で価値観を見つけておく価値は十分にあります。

そういう意味で、自分が進むべき方向性の指針となる価値観は、<人生のコンパス>といえるでしょう。

そこで今回は、転職における価値観の見つけ方と面接での回答例について、市役所職員と会社員の両方を経験した筆者がご紹介します。

価値観とは、自分が大切にしている思いのこと

価値観とは、自分が大切にしている思いのことです。

仕事でいえば、仕事観ともいえるかもしれません。

価値観は心の奥底に眠る気持ちや信念を指すものであり、マインドセットの一部ともいえます。

価値観は目には見えませんが、実際の行動に影響を与えるため、日々の仕事の仕方となって現れます。

同じ業務を担当している人同士でも「どう動くか」「何をするか」に違いが出るのは、価値観が異なることが原因の一つです。

仕事に関する価値観を言語化すると、多くは「〜したい」「〜でありたい」で表現になります。

たとえば、「困っている人を手助けしたい」「丁寧に作業したい」などです。

仕事で自分の価値観に触れると喜びを感じたり、存在意義を感じたりできるため、自分の価値観に合う仕事に就くことができれば、それだけやりがいを感じやすくなります。

また、価値観は仕事だけでなく、プライベートの人間関係や意思決定、優先順位にも影響を与えているので、価値観は人生全体を左右する判断基準といえます。

転職で価値観を見つけておくべき理由

20代の転職では、面接で「あなたにとって仕事とは」「仕事で大切にしていることは」など価値観を聞かれることがあります。

一方で30代になると、仕事経験やスキルに関する質問が中心となるため、価値観はあまり聞かれないかもしれません。

しかし、自分の価値観を理解していると、企業の情報収集で注目するポイントと自分が求める条件が明確になるため、入社後のミスマッチも防ぎやすくなります。

以下では、企業目線と自分目線の2つに分けて、価値観を見つけておく理由についてまとめました。

【企業目線での理由】

  • 企業理念や風土と合っているか
  • ポジションに適した人材かの見極め

【自分目線での理由】

  • やりがいのある仕事に就くため
  • 安定して長く働き続けるため
  • 自己PRや面接に説得力を持たせるため

企業が価値観に関する質問を投げかける理由は、「弊社の仕事を理解しているか」「考え方や方向性はマッチしているか」「職場のコミュニケーションに問題はなさそうか」など多角的に転職者のことを知るためです。

また、仕事の価値観を通じて、応募したポジションに適した人材かも見極めようとしています。

価値観を見つけておく理由を自分目線で考えたときには、「仕事にやりがいを感じるため」「長く安定して働くため」などメリットは多く挙げられますが、一言でいえば、豊かな人生を送るためです。

「どんなときにワクワクするのか」「喜びを感じる業務・嫌な業務」などを明確にすることで、転職先を選びやすくなり、自身の才能も活かしやすくなります。

価値観を見つけるワークを通じて、これまでバラバラに感じていた職務経験や仕事にも、実は一貫性があったと気づかされる場合もあります。

価値観の見つけ方【感情を知るワーク】

「どんな価値観を持っているか」の答えは、自分の中にあります。

逆に言えば、自分の中にしかありません。

価値観を見つけ方は数多くの書籍等で紹介されていますが、ここでは下記の<職務経験シート>を利用したワークについてご紹介します。

あわせて読みたい >> これ一枚だけ!強みが見つかる職務経験シートの書き方【4つの手順】

価値観を見つけるときには、これまでの仕事や業務で印象に残ったエピソードを書き出してみるのがおすすめです。

初めての場合は、まずは作業に慣れるため、3つ程度を目標に書いてみるといいでしょう。

具体的には、以下の4項目を書いていきます。

(1)印象に残っている業務

(2)(1)で自分がした行動や工夫

(3)(1)(2)のときに感じた気持ち(感情)

(4)結果(成果や学び)

いわゆるキャリアの棚卸しになりますが、通常の棚卸しとの違いは、印象的なエピソードのみを書き出すようにしている点です。

印象に残っているエピソードとは、ポジティブな記憶にせよ、ネガティブな記憶にせよ、自分の感情が動いたからこそ覚えているのではないでしょうか?

価値観を見つける上では、その<感情>が大事なのです。

職務経験の棚卸しで「一年目にこれをして」「2年目にこれをして」といったやり方をしても価値観が見つからないのは、そこに何の感情も思い入れもないからといえます。

ですから、印象に残っている仕事を書き出すときは、その仕事をしているとき「どう感じたのか」「何を考えていたのか」など、当時の気持ちも振り返ってみましょう。

「ワクワクした」「嬉しかった」「辛かった」「二度とやりたくない」など、そのときの感情を素直に書いてみてください。

仕事や業務を書くときには、そこでした自分の行動や工夫も書くようにすると、感情の棚卸しがスムーズになります。

ワークは誰に見せるわけでもないので、自由に思ったことを書くのがポイントです。

可能であれば、書き出した複数のエピソードの感情部分に注目して、共通点がないかも探してみましょう。

別々の仕事や業務であっても、抽象度を高めて言語化してみると、「自分の創ったもので人を喜ばせたい」など、同じ価値観を発揮している可能性があります。

共通点が見つかると、これまでの経験に自信が持てますし、面接でのアピールにも一貫性が感じられ、説得力が強まります。

価値観の具体例

人によって価値観はさまざまです。

価値観の具体例としては、例えば以下のようなものがあります。

・困っている人を助けたい

・多くの人に影響を与えたい

・人と人との関係をつなぎたい

・常識にとらわれたくない

・仕事を通じて、自己表現したい

・誰にも管理されず、自由に仕事がしたい

・やりたいことを追求したい

・新しいサービスを生み出したい

・自分の才能や能力をフルに活かしたい

・社会が必要としているものを創りたい

私の場合、上記のワークの感情部分に注目した結果、以下のような価値観が見つかりました。

【市役所時代〜自然体験指導者時代】

・自分が創ったもので人を喜ばせたい
・楽しさと学びの融合にやりがいを感じる
・子どもの成長を手助けしたい
・物事を良い方向へ導きたい

【フリーランス時代(現在)】

・一つの物事にじっくり取り組みたい
・真に役立つものを創りたい
・自分の経験や学びで他人を救いたい

一般的に面接でのアピールとなる価値観キーワードとしては、「社会貢献」「自己成長」「創造性」などがあります。

どのような価値観を持つのも個人の自由ですが、転職においては大切なのは、「その価値観が、どのように仕事に活かせるのか」です。

価値観を伝えるときには、具体的な仕事上のエピソードと合わせて、その企業や仕事に適した価値観である点も伝えなくてはなりません。

「仕事で大切にしていることは?」に対する面接での回答例

ここでは、転職の面接で「仕事で大切にしていることは?」と質問されたときのフォーマットと回答例をご紹介します。

回答例のフォーマット

(1)「私が仕事で大切にしているのは、《あなたの価値観》です」
(2)仕事上のエピソードや経験、周囲の影響、成果
(3)「御社でも《あなたの価値観》を大事にして仕事に取り組んでいきます」

面接での具体的な回答例

回答例は、以下の2つの価値観を軸に作成しました。

価値観1:真に役立つものを創りたい
価値観2:一つの物事にじっくり取り組みたい

「私が大切にしているのは、価値あるものを世の中に提供していくことです。具体的にはライティングの業務を通じて、一つ一つの記事を丁寧に仕上げて、完読してもらえる記事作成を心掛けてきました。依頼主からは「わかりやすい文章」との言葉をいただき、商品やサービスのPR記事では成約につながったとの成果も生まれました。御社でも価値あるものを創り出す精神を大事にして仕事に取り組んでいきます。」

普通の自己分析では価値観が見つかればそれでOKですが、転職の場合、価値観によっては、面接のアピールで使えないものがあったり、企業に役立つ視点で価値観を少し言い換えたりする必要があります。

求める人材は企業によって異なるため、情報収集を進めながら、「どの価値観をアピールするか」「どのエピソードを紐づけるか」を考えて、回答を用意しておくといいでしょう。

価値観を見つける際の注意点3つ

自分の内面と向き合っていると、だんだん「私って何者なのか……」と自分がわからなくなっていくことがありますよね?

ここでは、価値観を見つける際に覚えておきたいことを3つご紹介します。

価値観は年齢や経験によって変化する

「こだわりがある」「着実」などの性格は生まれ持っての性質であり、成長しても基本的に変わらないのに対して、価値観は年齢や経験によって変化することがあります。

価値観の変化は、3年、5年など時間をかけて緩やかに起こることもあれば、何かの出来事をきっかけに急に変化することもあります。

昨今でいえば、コロナウィルスの影響などでしょう。

コロナ前には在宅ワークなど想像もしなかったかもしれませんが、いざ実施してみると「なんだ。家でも仕事できるじゃん」と思った人は多くいたはずです。

その急激な働き方の変化は、「家で仕事がしたい」「地方で暮らしたい」という新たな価値観を人々に与えました。

学生時代と社会人である現在とでは考え方が異なるように、価値観もまた変化していくものであることを理解しておくと、自分を見失わずに済みます。

自分の気持ちに正直になる

ワークで感情を書き出すときは、自分の気持ちに正直になって書きましょう。

「こんなネガティブな気持ちはダメだ」と自分の気持ちにフタをしてしまうと、自分の価値観に辿りつけなくなるばかりか、「転職で何を求めているのか」も分からなくなります。

最初からちゃんとした文章にする必要もないので、ありのままの気持ちを紙に書いていきましょう。

面接で伝えるかどうかは別として、自分だけは自分の本音を知っておく必要があります。

価値観は一つじゃない

すでにお分かりになっている人もいると思いますが、価値観は一つではありません。

印象的なエピソードをもとに感情を探るたび、いくつも見つかる場合もあります。

複数のエピソードの感情部分だけに注目した結果、共通点が見つかり、「実は一つの価値観だった」というケースもあるかもしれませんが、ほとんどの人は複数の価値観を持っているはずです。

本来、価値観には、恋愛や健康、お金などに対する思いも含まれるため、複数持っていて当たり前なのです。

仕事で大切にしている思いは、一人一つとは限りません。

まとめ

価値観とは、自分が大切にしている思いのことです。

仕事における価値観は、「困っている人を助けたい」「他者に良い影響を与えたい」「細かく管理されたくない」など、「~でありたい」といった言葉で表現できます。

価値観は、自分が進むべき道を示す人生のコンパスのようなものなので、転職の自己分析で明らかにしておくと、やりがいを感じる仕事を見つけやすくなります。

価値観の見つけ方としては、印象に残っている業務や仕事を棚卸しして、そのときの感情を振り返ってみるのがおすすめです。

「印象に残っている=感情が動いた」といえるため、本当の気持ちに辿り着きやすいといえます。

「長く安定して働いていきたい」「自分が輝ける仕事がしたい」と思うのであれば、年齢に関係なく、価値観を見つけるワークはやってみるといいでしょう。

答えは自分の中にあります。

企業研究では募集条件と合わせて、HPやブログなども参考にして、自分の価値観と合いそうな会社かもチェックしてみてくださいね。